ジークスでは、多様な開発プロジェクトを通して経験を積むことで、若手エンジニアが成長を遂げています。今回登場するのは、まだキャリアについて明確なイメージが湧かないという入社2年目の芹田(東京本社)と、リーダーとして開発の最前線に立つ西田(大阪支社)。ふだんは異なる拠点で働く2人のエンジニア。先輩エンジニアが抱く思いやこれまでの歩みを通して、若手エンジニアはキャリアを描くためのヒントを得られるのか?今回はそんな2人の対談をお届けします。
課題への「なぜ?」を追求し、アプリ開発にも挑戦
- 芹田
- 西田さんは技術にかなり強いエンジニア、という印象を持っています。僕は西田さんと同じでゲーム好きなんですが、なかなかプライベートで勉強に時間を使う気にならなくて…技術はどうやって身につけているんですか?
- 西田
- 僕も、ゲームへのモチベーションが高いときは、ゲーム優先(笑)。ただ、目の前に課題があるときは、それを考え始めるとじっとしていられなくて。解決しないとすっきりしないから、勉強へのモチベーションが上がります。優先度の比率が変わるだけで、「勉強3・ゲーム7」でも十分モチベーションは上がっている状態ですね。
- 芹田
- 「ゲームをする」「映画やドラマを見る」などの中に「勉強」が入っている感じですね。
- 西田
- とくに勉強へのモチベーションが上がりやすいのは、自分よりも周りに影響する部分。知識を得て「こうやったらプロジェクトがよくなる」と提案できれば、メンバーからの反響も感じられるんです。
- 芹田
- 自分の目の前だけでなく、より広い視点で課題をとらえているんですね。
- 西田
- 「考える力」がつくと視野が広がって、見える課題も増えます。僕の場合、Webの保守を担当していた2~3年目くらいから、「このプロジェクトのコードってなんで読みにくいんだろう」「どうしてアンチパターンに対応できていないんだろう」と考えるようになったのがきっかけ。あとはエンジニアとして、やったことのないものに飛び込んでいくのも大切だと思います。
- 芹田
- 西田さん自身も、モバイルアプリ開発など、新しいことに取り組んできたんですよね。
- 西田
- 最初はWebの保守から入って、新規案件を担当した後、自分で希望してAndroidアプリ開発に関わったんですよ。当時、大阪支社にはアプリ経験者はおらず、ほぼ独学でアプリ開発のことを勉強して、東京本社のメンバーにサポートしてもらって構築から取り組みました。
- 芹田
- アプリ未経験で、最初から構築なんてすごいです!
- 西田
- 右も左もわからなかったから、とにかく調べまくりました。今見たら「なんで?」と思うような出来栄えだったけど…(笑)。その後はiOSアプリの開発も経験して、今はPLとして、Webメインで携わることが多いです。プロジェクト全体を見ているので、レビューやお客さまとの対話、進行管理、設計資料づくりのほか、簡単な修正は自分で手を動かすこともあります。
ポジションは手段 大事なのは「なりたい自分」
- 芹田
-
今回のテーマのキャリアプランについて、実はあまり考えたことがありません。技術が乏しい中、どう実装するかを考えながら作業する「頭を使うことの楽しさ」は感じているので、そこを大切にしながら立派なモバイルエンジニアになれたらなと思っています。
ただ、「立派」と言っても「頼られるエンジニア」「安心して任せてもらえるエンジニア」というざっくりしたイメージしかないですし、リーダーへの憧れがある一方、実装をずっとしていたいという思いもあります。西田さんは入社後、どんな思いで仕事をして、今のポジションに行きついたんですか?
- 西田
-
ポジションは手段で、結果でしかありません。開発の中で修正しにくいコードがあったら、修正が簡単になる書き方を求めてソフトウェアアーキテクチャの勉強をするとか、「課題に対して自分がどんなエンジニアになればいいか」を考えて進んできました。
最終的な目標は、「誰かが喜ぶけど、誰かが苦労している」じゃなくて、「全員が幸せになる」を実現すること。それを考えると、ある程度自分が決断して、責任が取れるポジションについていたほうが、ものごとを進めやすい。そこを目指す中で、結果としてリーダーのポジションにたどりついた感じです。
- 芹田
- 最初から「全員が幸せになる」を目指していたんですか?
- 西田
- 入社するとき、「頑張ってつくったものがユーザーの批判にさらされる」だったり、「労働環境が良くない」など、IT業界はマイナスのイメージを持たれていると感じていました。「全員が幸せで楽しく仕事をしてものづくりをして、お客さまやユーザーを喜ばせたい」って考えはずっとありましたね。
- 芹田
- 西田さんみたいな人がいるおかげで、いまのジークスの働きやすさがあるのかな。
- 西田
-
なかなか完全には実現できないけど、トラブルを未然に防いだり、開発にあたっての課題解決はこれからもどんどんできたらと思います。
PLだけじゃなく、チームリーダーも務めるようになって、最近は見える課題も変わってきました。自分のチームメンバーに、どうやって「うちのチームでよかった」と思ってもらえるかなど、メンバーとの関わりや教育について考える機会が増えています。
- 芹田
- リーダーではなく、「職人」として実装側に進む選択肢もあったんですか?
- 西田
- どちらかを選んでいるつもりはないんです。リーダーになったら実装できないわけでもないし、職人としての一面もある。逆に「もう、その仕事しかしない」というのは嫌ですね。
- 芹田
- いまのポジションだからこそ、自分のやりたいことができているんですね。
- 西田
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時代も会社の体制も変化していくので、「なりたい自分」を実現できるなら、あまり肩書は気にしていません。
さっき芹田さんが言った「頼られるエンジニア」のイメージも、実はポジションとはかかわりがないんです。頼られるために重要なのが「技術について素早く答えられること」なら技術を学べばいいし、「話しかけやすいこと」ならコミュニケーション力をつければいい。そうしてキャリアを重ねていくと、「リーダーになることが、頼られるエンジニアになる近道だな」となるかもしれません。
エンジニアのキャリア形成には「考える力」が必要
- 芹田
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対談のテーマがキャリアと聞いて、なんとなくポジションベースでイメージをしていました。今日西田さんと話してみて、必ずしも「●●のポジションにつく」という考え方をしなくていいとわかって、肩の荷が下りました。自分がどんなエンジニアになりたいかを考えて進めば、やがて何かしらのポジションにつく選択肢も見えてくる。そういう視点を持って働いていこうと思います。
あとは冒頭で話した、技術の習得や勉強のところ。僕自身、勉強はあまり好きではなくて、「しなきゃいけないもの」として存在していました。西田さんの話を聞いて、やりたいことの一環に勉強を組み込めたら、違う自分になれるなと思いました。
- 西田
- 僕は、開発の中で課題へのアプローチを繰り返して、やりたいことを見つけていくのがエンジニアのキャリアの積み方だと思います。そのためには「考える力」さえあればいい。芹田さんは、この対談にあたってキャリアのことを初めて考えたと言っていたけど、僕への質問内容についてもかなり考えたと思います。考える時間を確保して、「なぜこうなんだろう」を常に考えることで視野が広がるし、課題も見えて、出す答えが変わってくる。それがエンジニアとしての成長につながると思います。
- 芹田
- 最後に貴重なアドバイスをいただけて嬉しいです。今日はありがとうございました!
先輩エンジニア・西田との対談を通して、多くの気づきを得た芹田。キャリアは「自分がどんなエンジニアになりたいか」を考えながら描かれていくようですね。過去の若手×ベテラン対談記事も、合わせてご覧ください。