
ジークス大阪支社は2025年8月、オフィスのリニューアルを行いました。2022年の東京本社移転時と同様に、社員によるプロジェクトチームを組織。デザインコンセプト立案から社員が関わり、働きやすさを重視したフリーアドレスなど新しい試みも実現しました。このプロジェクトに関わったPM(プロジェクトマネージャー)とデザイナーへのインタビューをもとに、新しい大阪オフィスの全貌に迫ります。

「ザ・オフィス」の雰囲気から様変わり!シックで温かみのある空間に
こんにちは、FOCUS編集部です。先日、久々に大阪支社を訪れたところ、オフィスの様子がガラッと変わっていることに気づきました。以前はデスクとキャビネットが並ぶ「ザ・オフィス」の雰囲気だったんですが、シックでありながら温かみのある空間へ進化を遂げていたんです。
大阪支社のメンバーに聞くと、2025年8月に全面リニューアルが行われたとのこと。東京本社オフィスと同様にフリーアドレスを採用し、コミュニケーションが取りやすく、自由な働き方を選べるオフィスデザインを目指しているそうです。
特徴的なのは、社員によるオフィス改修プロジェクトを立ち上げてリニューアルを進めたこと。設計・施工を手がけるパートナー企業とともに、さまざまな工夫を重ねて約1年がかりで新オフィスをつくり上げました。今回は、当初からプロジェクトに参画し、PM(プロジェクトマネージャー)として全体を取り仕切った笹嶋と、UIデザイナーのノウハウを生かしてオフィスデザインの責任者を務めたOに話を聞きました。
大阪オフィス移転から10年、フリーアドレスで広がる交流と深まるアイデア
そもそもなぜ、大阪支社のオフィスをリニューアルすることになったんでしょうか?じつは近年、大阪支社のメンバーが増えるに連れてオフィスが手狭になり、Webミーティングをする人と、集中して作業する人とが隣り合う状況も生まれていました。またコロナ禍以降、ジークスでは出社とリモートのハイブリットワークを採用しています。全員が一斉に出社することが減り、固定席の必要性が薄れていたという背景もありました。
「オフィス内のコミュニケーション不足も感じていました。当時のデスク配置は、開発メンバーと制作メンバーがそれぞれの『島』に分かれていて、見えない壁があったんです。どうしても開発同士・制作同士で話すことになりがちで、別の島のメンバーとのコミュニケーションにはハードルがあったと思います。現在のビルに支社が移転して10年の節目でもあり、リニューアルの話が進みました」
こう振り返る笹嶋と、デザイナーのOがオフィス改修プロジェクトのメンバーに任命されたのは2024年秋。2022年に移転した東京本社の空間デザインに関わったメンバーもアドバイザーとして参加し、パートナー企業の提案をもとにデザインコンセプトを練り上げていきました。
「全体的な雰囲気は東京本社オフィスと合わせながら、業者の方とコンセプトをつくっていきました。目指したのは、フリーアドレス化による、より働きやすい環境づくり。従来のオフィスにあった課題を踏まえて、出社することでプラスアルファのコミュニケーションや新しいアイディアが生まれる空間になるように、検討を重ねました」(笹嶋)


コンセプトは「COLLABO HUB」 細部までこだわったオフィスデザインとインテリア
新しいオフィスのコンセプトは「COLLABO HUB」。Collaborare(共同で働く)、LAB(共創)、HUB(繋ぐ)の3つの意味を込めた造語です。
「東京本社オフィスと同じように、コーポレートカラーのブラックとホワイトを基調にした空間デザインで統一しています。エリアによってカーペットの色を切り替えたりして、メリハリをつけました。椅子などの家具は、業者の方に選んでいただいたものもありますが、実際にショールームに出向いて良いものを探し、座り心地を確かめて購入しました」
デザイン責任者のOがこう話すように、細部まで工夫が詰まった大阪支社の新オフィス。エリアごとに見ていきましょう。
<フリーアドレス席>
フリーアドレス用に8席・8席・6席の「島」を配置。それぞれの島を少し傾けたレイアウトにすることで、移動の際の交流が生まれやすい設計にしています。
<集中エリア>
エンジニアがプログラムを集中して書きたい時には、この壁を向いたブースがおすすめです。作業効率アップのため各席にはモニタが2台ずつ設置され、雑談やWebミーティングも指定時間以外は禁止となっています。
<ミーティングブース>
周囲で作業しているメンバーに気を遣わずに、Webミーティングができる半個室のブース。お客様との会議の際にも、情報の機密性を保つことができます。
<交流エリア>
休憩やランチなどでリフレッシュできる交流エリア。オフィス家具ではなく、デザイナーズのエッセンスも取り入れたテーブルやソファを採用しています。東京本社で好評を博している、ファミレスの座席を模したファミレスブースも導入。ちょっとしたミーティングも可能です。
<カウンター・パントリー>
スタンディングで作業が可能なバーカウンターと、給湯設備がついたエリア。気分転換にコーヒーを飲みに行けば、自然に会話が生まれそうです。
<瞑想エリア>
周囲の視線をシャットアウトできる一人用の椅子を窓際に配置した瞑想エリア。ビジネス街の15階から、景色を見下ろしながら物思いにふけったり、ほっと一息つけるスペースです。
このうち、デザイン責任者Oの「推し」は交流エリア。シンボリックな円卓と個性あふれるカラフルな椅子は、プロジェクトメンバーの目で選んだものです。遊び心のあるインテリアで、執務エリアとの差別化を図っています。


リニューアルで部署を超えた交流が活性化 社員の声を取り入れ、さらに進化するオフィスへ
リニューアル後のオフィスを実際に利用した笹嶋とOは、コミュニケーションの活性化を肌で感じていると話します。
「フリーアドレスになったことで、開発メンバーと制作メンバーの垣根がなくなり、これまでなかったコミュニケーションが生まれています。これまで、異なる事業部の若手メンバーとは話す機会があまりなかったんですが、先日たまたま隣に座ったときに会話ができたのはよかったですね」(笹嶋)
「制作メンバーからすると、向かいや隣に開発メンバーが座って、話せるようになったのは嬉しいです。交流スペースはまだ遠慮して使っていない人もいますが、誰か1人がソファに座っていると、なんとなく数人集まってきて雑談になりますね」(O)
そう微笑む2人には、プロジェクトを通して得られたものがあるようです。
「社内プロジェクトなので、ユーザーである社員の意見を取り入れやすい反面、吸い上げすぎるとまとまらない。その点の調整には気を遣いました。また今回、顧客として業者の方とやりとりをして、ふだんの案件で関わるお客様の視点も知ることができました」(O)
「私も業者さんとプロジェクトを進める中で、要望のすり合わせ方を改めて学びました。要望に対する提案には、『こんな理由があるから、これを選びました』という説明が加わると納得感がありますよね。今後の業務にも生かせると思います」(笹嶋)
今後は、実際にオフィスを使った社員から課題をピックアップし、さらにオフィスの環境をブラッシュアップしていくそうです。より働きやすい、クリエイティブなオフィスになった大阪支社から生まれるイノベーションに今後も注目です!