清水建設株式会社様

無人受付システム開発による業務効率化・セキュリティ向上

ビル入館管理とエレベーター制御システムでDXを促進

清水建設様が建てられたビルのDX化を推進する、来訪者受付システムの構築プロジェクト。これまでは、外部配送業者などがビルに入館する際に発生していた防災センターでの記帳や、セキュリティカード借用といった手間と、常駐管理会社による入館管理の非効率性が課題となっていた。
今回のプロジェクトでは、デジタルに不慣れな方でもタブレット端末で直感的に操作しやすいユーザーインターフェースを提供。操作画面は誤操作を防ぐため、ボタンサイズの工夫やコントラスト強化など視認性を高めるデザインとした。
また、外部配送業者はエレベーター前のタブレット端末から手続きを行い、許可された階層にのみアクセスできる仕組みを採用。これにより、無許可エリアへの侵入を防ぎ、作業効率と安全性を同時に高めることができた。

課題

無人化による業務効率化とセキュリティ強化への取り組み

これまでのビルでは、外部配送業者は防災センターで記帳し、セキュリティカードを借用してから館内配送を行っていた。新設ビルでは、人員の最適化と業務効率化を目的とし、この入館管理とエレベーター制御を無人受付システムによって自動化することが求められた。常駐の管理会社が行っていた外部配送業者の入館管理の手間を軽減し、ビル管理業務全体の効率化を図る必要があった。同時に、許可された階層以外へのアクセスを制限し、無許可エリアへの侵入を防ぐことで、ビル全体のセキュリティレベルを確実に向上させることも重要な課題であった。

アプローチ

既存システムの知見を活かした開発

既存のビル管理システムで培った、当社の知見を活かした開発をご提案。既存システムの画面構成や処理ロジックを流用することで、開発工数を大幅に削減し、短期間のシステム稼働を実現。また、お客様の「建物デジタル化プラットフォーム DX-Core」に対するブランドイメージを損なわないよう、既存システムとの表現の統一感にも配慮しながら、スムーズな導入と運用を支援した。

安全性を追求、タブレット端末からのエレベーター制御

エレベーターの乗降操作に加えて、停止階の制御もタブレット端末から行えるようにした。これまでにも様々なハードウェア連携システムを手掛けてきたが、エレベーターのような高い安全性が求められるシステムとの直接連携は初の試みとなった。
今回のシステム構築では、外部配送業者が利用するエレベーターに対し、タブレット端末の操作で乗降だけではなく、停止階の制御も可能とした点が特徴。安全性を最優先に設計・開発を行い、許可された階層以外には停止しない制御を実装した。この仕組みにより、無許可エリアへの侵入を確実に防ぎ、ビル全体のセキュリティレベルを向上させることができた。

結果

入館手続き効率化とセキュリティ向上を実現

無人受付システムの稼働により、外部配送業者のエレベーター停止階制御および入館管理が自動化。これにより、外部配送業者の入館手続きが効率化され、所要時間の大幅な短縮や、これまで常駐管理会社が担っていた入館管理業務の負担が軽減され、ビル管理全体の効率化に繋がった。
さらに、システムで許可された階層のアクセスのみを許可することで、無許可エリアへの侵入を防ぎ、ビル全体のセキュリティレベル向上を実現。今後もこのシステムを他のビルへ展開し、継続的な業務効率化と安全性強化をサポートしていく。

開発期間
  • 3ヶ月
デバイス
  • スマートフォン、タブレット、PC
採用技術
  • Java(Spring Boot)、MySQL
クレジット
Project Manager
Naoki Wada
Project Leader
Hiroki Yano
System Engineer
Yuna Kamino

スタッフボイス

プロジェクトリーダー矢野 浩基(ヤノ ヒロキ)
プロジェクトリーダー 矢野 浩基(ヤノ ヒロキ)

関連システムは限定されたユーザーのみが利用するシステムでしたが、今回は不特定多数の来訪者向けシステムだったため、初見でも扱いやすいUIを意識しました。
基本的にはシステムからのレスポンスをできる限り早く知りたいというユーザーが多く、制御との連携部分は最小限に、事前に準備するべき処理は閉館時に実施するなど、連携内容やタイミングは特に意識して設計しています。

システムエンジニア神農 夕奈(カミノ ユウナ)
システムエンジニア 神農 夕奈(カミノ ユウナ)

初見で利用するユーザーが多いシステムのため、データの送受信やビルのセキュリティ状態に合わせた要素の活性・非活性など、誤操作を未然に防ぐことを意識しました。
様々な部署様とコミュニケーションを密に取りながら、吸い上げた意見をサイトに反映できたと感じています。