CULTURE

一人ひとりの「今」を多面的にとらえ、挑戦につなげる新評価制度

2022年に刷新したジークスの評価制度。これまで培ってきたジークスの風土を活かしながら、社員の活動を多面的に評価し、ステップアップの道筋をつけるためのしくみです。特徴は、「スキル評価」「業績評価」「会社貢献」の3分野で社員の活動を評価していること。制度のねらいや改定によって生まれた成果について、評価制度改定メンバーに詳しく語ってもらいます。

スキルを客観的に評価できる制度を目指して

当社の評価制度は個々の「能力」と「業績」を評価の軸にしていたんですが、実際は部下の評価を行う各リーダーに依存する部分が少なくありませんでした。会社への貢献度を評価しきれず、社員からは「何をどう評価してもらっているのかわかりにくい」という声も上がっていたので、5年ほど前から制度改定に向けて動き始めました。

改定にあたり目標としたのは、社員一人ひとりが持つスキルを、市場全体で必要とされる水準と照らし合わせて評価すること。社内の仕事だけを基準にすると、スキルを客観的にとらえることができず、個人と会社の成長につながりにくいからです。当初は評価基準の参考になるものがなかなか見つからなかったんですが、IT人材に求められるスキルを示した指標「ITスキル標準(ITSS)」をベースとすることに決定。社内有志のメンバーで議論を進め、職種や年次に応じて社員それぞれのキャリアパスを考えながら、ジークスに合った「スキル標準」を整えていきました。

単に「評価」といっても、その内容はスキルだけではありません。実際のプロジェクトでどれほど頑張ってくれたか、どれほどの成果を上げてくれたのかを評価することも必要です。

また、ジークスには、社員で推進するさまざまな社内プロジェクトチームもあります。これらの会社への貢献度評価についても時間をかけて考えました。マインドセットを評価軸にする案もありましたが、内容が抽象的でわかりづらいため、個々の普段の行動を反映してあげられるしくみを模索しました。

小菅 由里(コスゲ ユリ)

スキル・業績・会社貢献、3分野の活動を多角的に評価

こうして整えた新評価制度は、2021年からテスト運用を開始し、1年後の2022年春から本格的に導入しています。特徴は、「スキル評価」「業績評価」「会社貢献」の3分野で、社員の活動を多面的にとらえようとしているところです。

「スキル評価」は、新しいジークスのスキル標準をもとに個々の現状を客観的にとらえ、伸ばすべきスキルや今後の目標を設定。上長と定期的に1on1をしながら、最終的にどの程度達成できたかを評価します。

「業績評価」は、各社員のプロジェクト内の活躍を評価します。ジークスでは、組織の最小単位として3〜5名からなる「チーム」がある一方、日々の業務は案件ごとにさまざまなチームメンバーで構成される「プロジェクトチーム」を中心に進められています。そこで、チームとプロジェクトそれぞれのリーダーと社員本人との三者面談を実施。プロジェクト開始時の目標と役割を共有し、終了時の達成度を確認しながら評価を行っています。

「会社貢献」は、社内活動プロジェクトへの関わり方を基準にしました。ジークスでは以前から、経理と労務以外の間接業務を社内有志のメンバーで分担していました。これらはキャリアの長い一部の社員が担っていたんですが、1年目を含めた社員全員からなる小委員会制へ変更。各委員会で、社員たちの得意なこと・興味のあることを活かして活動してもらい、その頑張りや成果を評価の対象としています。

3つの評価軸

多様な視点で評価し、個々の挑戦を支えていく

新しい制度は、チームの上長だけではなく、日々のプロジェクトや社内活動のリーダーも含めて、社員を評価することが特徴です。
さまざまな立場のメンバーが個人の評価に関わることで、「何事も自分の評価に繋がる」「自分の役割に合わせて目標設定ができる」と社員が前向きに物事をとらえ、モチベーションが上がるようにすることも狙いのひとつです。

運用を開始して驚いたのは、社内活動プロジェクトの小委員会内で新しい取り組みが自発的に生まれていることです。ジークスのバリューのひとつに「自ら動き挑戦する」があるんですが、ここにも繋がっており、新しい制度が良いきっかけになったと感じています。

運用開始から1年が経ち、課題も見えてきました。上長によっては、評価をつけることに負担を感じ、後回しにしてしまうケースもあります。制度の重要性を伝え続けることはもちろん、評価用シートのフォーマットをシンプルにして負荷を減らしたり、1チームの人数を調整し、面談時間を設けやすくして、評価する側・される側双方に受け入れてもらうための取り組みを続けていきます。

評価制度は、会社から押し付けられるものではありません。会社と社員個人にとっては、現状の共有手段のひとつです。そのうえで、社員それぞれが次にチャレンジすることを見据えながら行動できるように、制度をブラッシュアップする必要があります。制度によって社内が堅苦しい雰囲気にならないよう、ジークスの風土に合う形で運用していきたいと思います。

小菅 由里(コスゲ ユリ)