[Interview] 屋内位置情報を利用した「アクティビティベース型ワークプレイス(ABW)」へ

CBRE株式会社 関西支社 坂本哲郎様、三瀬靖史様、中谷淳子様

世界を舞台に法人向け不動産サービスを提供するグローバル企業「CBRE」。その日本法人の関西支社に、屋内位置情報対応クラウドサービス「AB Stamper」を導入いただきました。
“オフィスイノベーション”により働き方と生産性を向上させるため、日々の業務目的や内容に合わせて、様々なタイプのスペースを選択できる「アクティビティベース型ワークプレイス(ABW)」。この環境を構築したオフィスへの導入経緯と導入後の活用方法について、CBRE関西支社の坂本哲郎様、三瀬靖史様、中谷淳子様にお話を伺いました。

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INTERVIEW

世界を舞台に法人向け不動産サービスを提供するグローバル企業「CBRE」。その日本法人の関西支社に、屋内位置情報対応クラウドサービス「AB Stamper」を導入いただきました。
“オフィスイノベーション”により働き方と生産性を向上させるため、日々の業務目的や内容に合わせて、様々なタイプのスペースを選択できる「アクティビティベース型ワークプレイス(ABW)」。この環境を構築したオフィスへの導入経緯と導入後の活用方法について、CBRE関西支社の坂本哲郎様、三瀬靖史様、中谷淳子様にお話を伺いました。

グランフロント大阪移転のタイミングでABStamperを導入されましたが、その背景についてお聞かせください。

坂本様

大阪は東京につぐ日本拠点で、2018年3月にグランフロントへ移転しました。150人が使える今のオフィスで、我々は新しいタイプのフリーアドレスオフィスを作っています。
東京本社を作った4年前から新しい働き方がスタートしました。自由度は増えましたが、4年間の経験を経てわかったのは、チームマネジメントなど中間管理職の技量が問われるということ。それをどうサポートするか、一つの目玉として位置情報が必要だったんです。
東京は完全フリーアドレスで、上長が部下の場所を全く把握できなくなります。部署間コラボレーションは非常に進みました。ただチーム内のコミュニケーションが減ったという話もあり、せめて位置は知りたいと。位置がわかると選択肢が増えますよね。 大阪は移転を機にテストケースとして導入しました。

今回の導入は実験的な意味が多いのでしょうか?

坂本様

そうですね。今まで部屋やフロアで分かれていた部署が混ざり合い、新しい価値を生み出しているのは間違いありません。更に良くするために、位置情報サービスを導入しています。
我々のビジネスは不動産まわりの総合的な提案で、お客様にワークプレイスを提供することもその1つ。プロセスを自分たちでやってみるのが実験で、経験を情報発信しようということです。

様々な働き方を支援、ABWという試み

三瀬様

移転で50坪を減らし、収容人数は40名増えても対応できる空間構成にしました。 ここは業界のコミュニティの場として中間スペースにラウンジを設け、色々な方にお越しいただいてセミナーをしたり、 夜にはお酒を飲みながら情報交換したり、また働き方に応じて場所を選べるワークセッティングを構成し、 チームワークと個人ワークをサポートしています。極力オープンにライブオフィス化して、我々が提供する価値を可視化しています。 またグローカルな働き方というものもあります。元々は日本法人と海外法人が合併した会社ですので、 お互いの良いところを活かし、更にラボとして新たな試みを行い、社内外問わず共有することを考えています。
マネジメント層へのアンケートや、スタッフとのワークショップなどから使用状況の調査を行い、分析結果を元にオフィスを構築しました。
我々は『ABW』という働き方を導入しています。フリーアドレスは座席の固定が解除された状態のことで、約3,4箇所のワークセッティングが用意されています。ABWは働き方に応じ10〜15の働く場を設けるのが一般的。選択肢が多く、社員の自主性を尊重した働き方になりますし、1日の仕事の流れを想定して場所を選ぶ、効率的な働き方を目指した形です。

色々なチームが組めるオフィスになっているんですね。

三瀬様

様々な働き方の場を用意しています。電話を置かないフォーカスエリアは私語厳禁の集中する場所。 オフィスの健康面では、立って仕事できるエリアも用意しています。窓際のソファー席は部長クラスの方々が座って、 周りに部下が集まり軽い打ち合わせをしたり、OA機器も少しずつ変えています。8〜10席の打ち合わせができるソファー席や、 スタジアムと呼ばれるモニターと15席のテーブル付きの椅子スペース、電話会議ができる1〜2人用の個室、 守秘性の高い情報を扱う時に使えるスペースもあります。

坂本様

使い方は決めた訳ではなく、自然とこのようになりました。進化したフリーアドレスです。

オフィス

これからの オフィス×位置情報サービス 便利な使い方

どのような時に位置情報サービスの便利さを感じられますか?

坂本様

仕切りなどで見えない所もありますので、人を探す時に活用しています。 仕事の途中で「探す」動作がありますが、ABStamperがあると仕事を中断することなく探せます。

ABStamperは色々な使い方がありますが、どのように使われていますか?

三瀬様

今は位置情報です。クラウド上にデータが蓄積されるので、各エリアが想定通り使われているのか、どんな人が使っているのか分析して、 結果を元にオフィス環境を改善しようと思っています。

社員の皆さまの反応や、導入時の設置はいかがでしたか?

坂本様

社員は最初の登録まで少し抵抗があったようですが、使ってみると便利なのがわかるので、結果的にスムーズに導入を進めることができました。 また、ビーコンの設置も非常に簡単でした

中谷様

アシスタントや責任者は、メンバーに何かを渡したり対面したい事も多く、位置確認が必要ですからよく使っています。
今の機能でユーザー側は充分だと思いますね。今後はスマートフォンでもマップが表示されると嬉しいです。

もっと便利に使っていただけるよう、バージョンアップを頑張ります!

坂本様

「コネクテッド・コミュニティ(Connected Community)」をテーマに、コミュニケーションの活性化を通じて、組織の核となる企業文化の醸成や技術の継承が促進される環境を目指しています。 やはり大切なのはフェイス・トゥ・フェイスのコミュニケーションになりますので、さらにコミュニケーションの質を向上させていくことが大切だと思います。

コラボレーションと1対1のコミュニケーションの両方を支援するオフィス、これからの進化も楽しみにしています。 本日は貴重なお話をありがとうございました。

POINT

  1. 一度アプリをインストールしておけば、起動しなくても位置情報を更新

  2. 従業員の移動ログや会議室の利用率がわかる

スタッフボイス

IoTプロジェクトグループ エンジニア Y.H.

オフィスに合わせたBeacon設置の工夫 これまでABStamperを導入してきた多くのオフィスでは、天井の金属部分に磁石でビーコンを接着する手法が主流でした。 金属部分がない場合は、システム天井であれば任意のグリッド上の天井裏にビーコンを置く手法が採用できますが、今回のオフィスでは一部の天井において金属部分がなく、 かつ在来工法天井だったたため、限られた点検口を通して天井裏にビーコンを設置する手法を採用、それでもBLEの電波状況は良好で、 位置検知も問題なく行われました。