生活サポートアプリの提供に向けた実験的な試み
電力センサーから取得した情報を元に生活スコアを表示・配信し、ユーザー自身が確認できるアプリの開発プロジェクト。
ユーザーに「生活や健康に対する改善行動を起こしてもらいたい」という、将来のサービス全体像を含めたお客様のゴールに向けて、実験的な開発がスタートした。
アプリには、ユーザーの日々の電力利用状況を解析し、「生活スコア」と「あたまの健康チェック」を表示する仕組みを利用。AIを活用した生活習慣に関する判定から、生活をサポートするための結果を提供する。
アプリ開発チームには、詳細な電力データから解析された結果を、どのように見やすく表示するのか、また今後の展開を見越した拡張性を担保できるかが求められた。
ジークスは、本プロジェクトの前に開発を担当した見守り・防災関連アプリ(本アプリの関連サービス)の知見があり、活かせるところは活かしながら開発を進行。ヒアリングからUI/UXデザイン、アプリ開発、バックエンド開発、その後の運用までを担当した。
想定ユーザーにわかりやすいスコア表示のUIデザインを模索
アプリ化の際に、メインの利用ユーザーは高齢者を設定。電力情報から解析された様々なデータをどのように見せたらわかりやすいのか、特に「スコアの可視化」に期待がかけられた。
スコア化の仕組みを開発した研究側がどう見せたいか、イメージする画面表示について詳しくヒアリングし、見せる側の意見と見る側の視点を考慮しながら、デザインを固める必要があった。
使いやすく親しみやすいユーザー視点のアプリデザイン
スマホアプリでは、画面内の情報量が多いと文字が潰れる、圧迫感を感じるなど、ユーザビリティ面の問題がある。また、ユーザーは専門的なデータの意味を理解できない。
そこで、多くの情報の中で何を特に見せたいのか、重要な情報は何かを考え、何度もお客様とディスカッションしながら、ユーザーが理解しやすいデザイン案を複数作成した。
パッと見て日々の変化がわかりやすく、重要情報は高齢者の方でも視認しやすい文字サイズを採用。また優しいカラーを使用し、親しみを感じさせるアプリデザインとした。
Google Cloudを用いたサーバーレス構成のインフラ構築
安定したサービスを展開するため、利用者増による高トラフィックにも強いサーバーレス構成を採用。
特にGoogle CloudのCloud Functionは、機能を関数単位で実装できるサーバーレスのサービスでサーバー管理が不要なため、開発者も運用者もインフラを意識する必要がない。
デフォルトで可用性と耐障害性が備わっており、トラフィック(需要)に応じた自動スケールアップ / スケールダウン機能は、クライアントの柔軟なインフラとコスト最適化のニーズを実現した。
FlutterによるiOS・Androidの効率的なアプリ開発
ジークスの領域はデザイン・インフラ構築だけに留まらない。我々が強みとするデザイン提案を忠実にアプリに落とし込むために、インターフェースの実装とバックエンド(インフラ)連携含め、包括的にエンジニアリング業務を支援した。
iOS・Androidの両アプリを一度に開発できるFlutterを採用することで、効率の良いアプリ開発を行い、機能拡張があった際も素早く対応できる体制を構築した。
- 開発期間
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- 9ヶ月
- デバイス
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スマートフォン
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- 採用技術
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- Dart(Flutter)、Python
- クレジット
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- Project Manager
- Motohiro Sasajima
- Project Leader
- Ryusei Koike
- Director
- Yuka Nagata
- Designer
- Nana Onishi
スタッフボイス
お客様が目指していたのは、日々の生活スコアをユーザーに届け、それをきっかけとして生活を改善していただくことでした。その考えを理解して、データ取得や見せ方などを確定しました。
今回は、Google CloudのFaaSサービスであるCloud Functionを利用して、機能ごとに独立した開発を行い、追加機能が発生しても柔軟に対応できる構築となっています。開発者がコード作成に注力できたことで、全体の期間短縮にもつながりました。またAndroid,iOS開発を一度に行えるFlutterを採用し、機能拡張があった時にも素早く対応できるようにしました。
毎日使うことで効果を発揮するサービスの特性をふまえ、日々のデータ変化が視覚的にわかりやすいデザインを複数提案しました。
スコア化するまでの過去の研究もあり、サービスにかけるお客様の想いを形にするべく、ディスカッションを重ねて作り上げたアプリです。ご希望のデザインイメージに対して、ユーザーを意識した案を作成・提案し、高齢者にも見やすい画面表示を心がけました。